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暗黙知を「構造化」するとは

2026.06.14 ・ 暗黙知

「長年やってきた勘」「なんとなくの判断」。こうした言葉にしづらい知識を暗黙知と呼びます。これを構造化するとは、ただ文章にすることではありません。"再び使える形"に組み立て直すことです。

「言語化」と「構造化」は違う

暗黙知をインタビューして文章に起こす——よくある第一歩ですが、それだけでは活きません。文章は読まれなければ意味がなく、読んでも判断を再現できないことが多いからです。両者の違いを整理すると、目指すゴールが見えてきます。

観点文書化(よくある一歩)構造化(CoReliaの考え方)
目的記録として残す再び使える形に組み立て直す
成果物文章・マニュアル状況・着眼点・判断のセット
再現性読み手の理解しだい人もAIも同じ判断を再現できる

つまり構造化のゴールは「きれいなマニュアル」ではなく、「人にもAIにも使える、再現可能な判断の形」をつくることです。

暗黙知を取り出す「3つの問い」

暗黙知を取り出すとき、私たちは3つの問いを使います。状況・着眼点・判断の順に分解すると、本人も意識していなかった判断の筋道が浮かび上がります。

暗黙知 (勘・判断) 状況 ― 何を見るか 着眼点 ― どう解釈するか 判断 ― だからどう動くか 再現できる 知性
図1:暗黙知は「状況・着眼点・判断」に分解して初めて、他者やAIが再現できる形になる。

たとえば熟練者の「なんとなく危ないと感じた」場面を、この3つの問いで掘り下げてみます。実は複数の小さな兆候を無意識に組み合わせていた、ということがよくあります。

問い引き出すもの例:熟練者の「危ない」を分解する
何を見ていますか?状況・着目点数値の小さな乱れ、現場の音や手応え
どう解釈しますか?判断の基準複数の兆候が重なったときに危険と判断
だから、どう動きますか?とるべき行動一旦止めて、原因を確認してから進める

構造化された知性が「資産」になる理由

状況・着眼点・判断のセットとして残った知性は、3つの意味で資産になります。人が変わっても引き継げること。新人が同じ基準で動けること。そして、AIが同じ知性をもとに判断を補助できること。

構造化された 知性 人 ― 変わっても引き継げる 新人 ― 同じ基準で動ける AI ― 同じ知性で判断を補助
図2:構造化された知性は、人の引き継ぎ・新人の育成・AIの判断補助に同時に効く。

一人の頭の中にあった知性が、組織全体とAIに同時に効くようになる——これが「資産化」の正体です。

完璧を目指さない

暗黙知のすべてを取り出すことはできません。それでいいのです。重要な判断から順に、少しずつ構造に変えていけば、組織に残る知性は着実に増えていきます。

暗黙知は、消えていくものではなく、残せるもの。CoReliaは「問い、取り出し、組み立て直す」作業を伴走しながら、判断を再現できる形に変えていきます。

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